少したって、燃は砂糖のs袋5つと漏斗(じょうご)を持ってきた。

 雷太は引くとともに驚愕する。

 「・・・!!?・・・お、おい・・・まさか・・・・・・。」

 ラドクリフは砂糖をコーヒーに全部入れた。

 《・・・なんで溶けるんだよ・・・。・・・物理法則を無視してるぞ・・・・・・。》

 「・・・・・・・・・・・・・・・。」

 雷太は引くばかりだ。もしこの小説で『(汗)』という言葉が使用可能だったならば4つは付いているだろう。

 今や、かつてコーヒーと呼ばれていた物はスライムのようにドロドロと流動し、すっかり冷めているのに物理法則を越えたせいかボコボコと泡立っている。

 《魔法で作る毒薬よりも恐いな。ある意味。》

 「・・・・・・・・・・・・ああ。」

 ラドクリフは無視してコーヒー?を少しかじった。

 《かじった!?》

 「・・・・・・まだ苦いな・・・。」

 「ええ〜〜〜〜〜!!!」

 間違いなくこいつは糖尿病の一等賞だ。少なくても近い内に確実になる『糖尿病エリートコース』に違いない。

 雷太は更に引いた。



 ♪正義とは、己の信念を突き進む事である!!♪



 「!うわっ!!な、何だ?」

 ラドクリフの携帯電話が突然鳴った。

 「携帯かよ!・・・・・・なんて嫌な着声なんだ・・・・・・。」

 「IFPのホームページで無料配信中だ。他にもバリエーションがある。」

 「いらねえよ。・・・・・・ってか早く取れ!妙な声がエンドレスに鳴り続けてるぞ!!」

 「・・・・・・・・・まったく・・・。
  ・・・はい、ラドクリフですが・・・。・・・・・・何ですか、閣下?」

 「・・・・・・。(閣下?IFPのお偉いさんか?)」

 「・・・済みません・・・・・・ポンさん。・・・で、どうしたんですか?」

 「・・・・・・!?(ポンさん!!?)」

 「・・・え?・・・・・・はぁ・・・。・・・?・・・・・・・・・・・・・・・!!」

 ラドクリフは急いで時計を見た。

 「!!す、済みません!すぐ行きます!」

 彼は右手でコートをつかみ、慌てて席を立った。

 「?どうした?」

 雷太が聞く。

 「・・・閣下との約束を忘れていた。悪いが去らせてもらう。」

 「あ、ああ・・・いいけど・・・・・・。」

 ラドクリフはカップに大半残っていたかつてコーヒーだったものを一気に飲み干した。

 「!ぐはぁっ!!・・・・・・に、苦い!」

 「いやいやいや、ありえないから。」

 「ぐ・・・・・・。さ、去らば・・・。」

 ふらふらよろけながら、彼は出て行った。

 一連の様子を見ていた瞬が聞く。

 「・・・結局何しに来たんだ、あいつは?」

 雷太は答えた。

 「・・・・・・・・・・・・・・・さあ・・・・・・。」



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