「遅えよ。何時だと思ってんだ。」

 瞬が問いただした。

 燃は時計を見る。

 「・・・11時45分だ!!」

 「んな事言ってんじゃねえよ。まったく・・・毎回毎回遅れやがって・・・。」

 「うるせえな!!瞬はいちいち時間にうるせえんだよ!!」

 「なんだと・・・。誰が毎日起こしてやってると思ってるんだ。」

 「ハッ!!頼んでねえよ!!」

 「・・・・・・闘るのか?」

 「ああ!!闘ってやるよ!!!」

 二人は同時に立ち上がった。勢い余った椅子が真後ろに激しく倒れる。

 「・・・・・・・・・・・・・・・。(うわ〜・・・・・・。)」

 雷太は座ったまま二人を交互に見ている。

 正に一触即発だ。

 ・・・とはいえ、さすがに店内では暴れられない。・・・・・・よって・・・口喧嘩だ!

 最初に口を開いたのは瞬だ。

 「いちいちしゃべるたびに燃えてるんじゃねえよ。周りが迷惑すんだろうが。」

 「あ゙!!瞬だって冷静すぎて周りに迷惑かけてんじゃねーか!!」

 「燃よりはましだ。燃だって接客の時、客に引かれてるじゃねえか。」

 「はぁ!!?瞬も十分俺以上に客に引かれてんじゃねーか!!」

 「・・・・・・・・・なんだと。」

 「なんだよ!!!」

 二人は睨み合っている。どうでもいいがお前ら読者の印象最悪だと思うぞ。いきなり喧嘩するし。

 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」

 「・・・・・・!!!」

 雷太はといえば、もう無視して静かにバナナミルクセーキを飲んでいる。どうやらこいつらの喧嘩はいつものことらしい。
 それでも二人は睨み合ったまま動かない。

 《瞬てめえなんだかんだ言ってクロとキャラ被ってんだよ!
  それに燃もいちいち!マークがわざとらしいんだよ!》

 「・・・・・・・・・・・・・・・。」

 「・・・・・・!!・・・・・・!」

 二人は目をそらした。落ち込みながら静かに椅子を戻し座った。

 Yuu Win!