――――― 30分後 ―――――



 「・・・ふうっ。まけたか?まったくしつこいやつらだったなー。」

 ここは、さっきの『メリーストリート』から少し離れた公園だ。結構広くて、今日はたまたま人がいない。

 「しっかし、まさかメリーストリートのど真ん中にでるとは・・・・・・・・・。
 いくら『ワープ』が、『出る場所が不安定である程度しか特定できない』からってそりゃねえだろ・・・。
 ・・・・・・ま、前よりはましか・・・・・・。」

 実は前に1回だけ焼却炉の中に出たことがある。あの時は怖すぎた。

 「さて、そろそろ行かないと・・・・・・。」

 雷太は歩き出した。

 「待てええい!!」

 「!・・・なっ!?」

 雷太が驚いて振り向くと、まいたはずの『IFP』の一人が立っていた。

 激しく肩で息をし、走った勢いでなくしたのか、帽子がない頭は金髪が汗に濡れている。

 「・・・・・・やっ・・・と・・・追いついた・・・・・・ぞ・・・。」

 息がきれぎれだ。見るのが痛い。

 「・・・うわ・・・。だ、大丈夫か・・・?」

 金髪の青年はゆっくりと深呼吸をした。

 「やかましいっ!悪党の情けなんざいるかあっ!」

 「悪党って・・・。今の時勢考えろよ。」

 「うるさいっ!悪は悪だ。それを撲滅するのが我々IFPだ!!・・・・・・さあ、おとなしくお縄につけ!」

 「・・・・・・断る。」

 「やはりそう言うか・・・・・・ならば!」

 IFPの青年は、走りやすくする為に背に掛けてあった刀に手をかける。

 「――――力ずくで成敗するまでだ!」

 そういって刀を抜き放った。日本刀だ。と、いっても血曇りも脂霞みもなく、刃は美しいままである。

 「・・・・・・・・・。」

 雷太は背の大剣にてをかけた。









  ←次の話へ

  ←いっこ前へ

  ←小説選択へ