第5話 “契約〜保身の握手〜”


 「あらら、やっちゃったみたいだね彼等。
  柊がぶち切れちゃった・・・。」

 「・・・・・・凄い剣幕だね、彼。
  正直殺し掛けても余り怒らないから
  そういうものだと思っていたよ。」

 「あ〜・・・、あいつは自分の事じゃ絶対怒らないからなあ・・・。」

 「・・・・・・・・・?」

 「おい、良いか?」

 暖簾を上げ柊が顔を出した。

 「悪いが交渉が決裂した、ちょっと待っててくれ。」

 「そりゃねえ・・・、看板ぐらい良いのに・・・。」

 「良くねえよ、店の看板は自分と同じだ。
  姐貴は自分をもっと大事にしろ。
  とりあえず俺はこいつ等を全員ぶっ飛ばす。」

 「流石に多いぞ、私も手伝――――――

 立ち上がり掛けた所で柊に止められた。

 「良いよ、姐貴の友人だろ?
  だったら俺が何とかしてやる。」

 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」

 「てめえ一体何を!?
  余所見してんじゃぐがっ!!?」

 柊の裏拳を受けもう一人吹っ飛んだ。

 「酒でも飲んでろ、じゃあな。」

 「あ・・・・・・。」

 柊は暖簾を下げ出て行った。

 途端に大勢の怒声、金属音、銃声、悲鳴が聞こえる。