身形は丁寧に決めているが如何やらあっち側の者らしい。

 隣で筋骨隆々の大男が無刃斧を構える。

 「う〜ん、タイミングが悪かったかあ・・・。
  悪かったね、出来れば見逃して欲しいんだけど。」

 「此れ見ても平静ってのは賞賛に値するなって意味さあね、
  でも、見られたからには生かして帰せないよって意味さあね。」

 「・・・・・・・・・・・・仕方無い・・・かな?」

 「諦め良いのか抵抗するのか分からないって意味さあね、
  KILL、殺ってくれって意味さあね。」

 大男が無刃斧を振り上げた。

 女は持っていた本の有るページを開く。

 「おおおおおおおおおおおゔっ!??」

 次の瞬間、大男は吹っ飛び廃ビルに突っ込んだ。
 壁を何枚か貫通する音が聞こえる。

 「な、何が起こったって意味さあね?
  一体誰なんだって意味さあね?」

 驚愕する2人、其の視線の先には・・・・・・。

 「あ?どんな女と思ったら餓鬼じゃねえか。」



 天才魔道科学者

 血に飢えし氷狼



 これが、二人の出会いだった。



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