第99話 “機械の旅人”


 雷太は走っていた。

 「・・・・・・う〜ん。
  そろそろクロの家が見えても良い頃かな・・・?」



 ヴィイイイィィ〜ン



 「!?・・・・・・・・・何だ・・・?」

 何も音は聞こえない、上空にはシラケ鳥が飛んでいる。

 「・・・・・・?気のせいか?」

 雷太はまた走り出した。



 ヴィイイイィィ〜ン!!!



 「!・・・・・・まただ・・・。一体何だ・・・?」

 《小猿の好奇心が高まっていく・・・・・・。》

 「う〜ん・・・見に行きてえ・・・・・・。
  でも、・・・これ以上遅れたらクロに殺されるかも・・・・・・。」

 雷太は心の中で葛藤する。

 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」

 迷った結果、雷太は『少しだけ』見に行くことに決めた。

 《意思の弱い小猿よ・・・。》

 決心要因はバナナですね?

 「当然だ。
  (・・・・・・!?え?あれ?・・・俺何言ってんだ?)」

 雷太は音のした方へ走り出した。