第93話 “実に恐ろしきファン達”


 何とか走りクロの家の近くまで来た雷太。
 息は切れていないが、歩きに変える。

 「ふぅ・・・・・・・・・ん?何だありゃ?」

 良くは見えないがクロの家の門前に人だかりが出来ている。

 「何だありゃ?ファンの集団か?珍しいな。」

 今まで書いてない事からも分かるかもしれないが、
 ブラックメンのメンバーのファンは殆どここらにはやって来ない。

 ファンはかなり多いのだが、家の前に来ても氷雨やクロが追い払ってしまうのだ。
 故に基本的に今まで通り、街中でファンに会う事が多い。

 どうやら女子中高生の集団らしい。

 「まあ、俺はああいうの苦手だから他の場所から入るか。」

 と、雷太が歩く方向を変えた時、運悪くその中の一人と目が合ってしまった。

 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」

 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」

 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」

 雷太はゆっくりと後ずさった。

 「ねぇ見てみんなぁ。あれって龍副総長じゃなぃ?」



 だっ!



 雷太は逃げ出した。



 ズザザザザザザッ!!!



 しかし、回り込まれてしまった。

 ファンの執念なのか、其れとも足がたくさん付いているからなのか、
 雷太はありえないくらいの速さで取り囲まれた。

 《・・・・・・?・・・足がたくさん付いている?》

 雷太は異形怪物に囲まれた。

 《・・・・・・・・・・・・・・・は!?・・・間違いか?女子中高生だろ?》