「おいおい誰だよこんな悪戯するのは?
  ・・・・・・あれ?・・・取れない・・・・・・?
  ・・・・・・のり付けじゃないのかこれ?」

 くっついたページはどんなに力を込めても開けない。
 何か仕掛けでもあるのだろうか?

 「う〜ん・・・・・・駄目だこりゃ・・・。」

 雷太がさじを投げたその時、
 突如本が一部光出した。

 「な、・・・なんだ!?」

 良く見ると光る文字が空白に現れている。



 『知る事を望む者よ、
  知りたければめくりなさい。』



 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」

 雷太は無言でページをめくった。
 あれ程開かなかったのがすんなりと開く。
 流石は世界一と言われる魔道士が書いた本、
 何らかの魔法が込められていたのであろうか。

 その開いたページには手形に光が発されており。
 更に再び光の文字が現れる。



 『過去を更に詳しく知りたければ、
  その手形に利き手を当てると良い。』



 「過去を・・・・・・知る?」

 雷太は周りを見回した。

 誰もいない。

 深呼吸をして息を呑み、
 雷太は手形に右手を置いた。



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