既に世界は負けかけている。

 自然と、

 魔王ファントムVS.剣士ファントム

 の構図が出来上がっていた。

 ファントムは強かった。

 『剣で魔法は斬れない。』

 この常識をも斬り彼は魔法を斬った。

 そして長い戦いの末、
 彼は魔王をも一刀の元に斬り伏せた。



 「すげえ!倒したのか!」

 雷太は思わず声に出した。
 慌てて周りを見るが人はいない。
 ほっとして本をもう一回読み直す。

 「しかし・・・、剣で魔法を・・・?
  魔法剣とかでなしに・・・・・・?
  色々と常識を超越しすぎだろファントムって。
  ・・・・・・俺の比じゃねーな、敵わねえや。
  今いたら多分クロも負けるだろ・・・。」

 雷太は次のページをめくろうとした。

 「・・・・・・あれ?」

 おかしい。
 次のページは二枚が一つに、
 つまり1ページ分がくっつけられて読めなくなっている。