第8話 “訪問−キング−”


 雷太が帰ってきてから3日後の朝8時57分、彼はまだ寝ていた。

 ちなみに雷太はなんとマイホーム持ちである。

 しかも、キャッシュ払いなのでローンさえ残っていない。

 《生意気だな―――!》



 やがて時刻は9時になった。

 ・・・・・・カチッ・・・ペペペペペペペペペペペペペペペペペペペ!

 雷太の目覚まし時計が激しく鳴った。

 「・・・う、う〜ん・・・。」

 雷太がベッドの中でもぞもぞ動きながら唸る。

 時計は更に鳴り続けている。

 ぺぺぺぺぺぺぺぺぺぺぺぺぺぺぺぺぺぺぺぺぺぺぺぺぺぺぺぺぺぺぺ!!!

 雷太は力強く目覚ましのボタンを叩いた。

 ペペペペペペペペペペペペペグエツ!!

 同時にグチャッという効果音がしたが、いつもの事なので雷太は気にしていない。

 《・・・・・・なんつー趣味悪い目覚まし時計だ・・・。》

 雷太は起き上がった。被っていた星柄の帽子が頭からずり落ちる。

 「・・・・・・あ゙〜〜ねむっ・・・。・・・・・・今まで洞窟の中で適当に寝起きしてたからなぁ・・・。
  ・・・・・・朝9時に起きるのがこんなにつらいとは・・・・・・。」

 と、ぶつくさ言いながらも雷太は着替え、一旦部屋を出た。

 そして洗顔をすませ部屋に戻ってくると、生まれてから19年間ずっと愛用している、
 赤色で非常に長いはちまきを外すことなく締めなおし、背に大剣『シルヴァトゥース』を差した。
 この銀色で両刃の剣はクロから貰ったもので、有名な刀匠のものらしく、少々重いが斬れ味は抜群だ。

 「さ〜て、朝飯でも作るか・・・・・・・・・・・・ってか飯の作り方忘れてた・・・。
  ・・・・・・なんせ3年もまともなもの食ってなかったからな〜。
  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・よし、ピザを頼もう。」

 雷太は携帯電話でピザ屋に電話をかけた。