「読め。」
「・・・・・・・・・は?」
突然声が聞こえた。
「読め。」
「な・・・・・・だ、誰だ!?」
返事は無い。
本から声が聞こえた気がするが本がしゃべるはずがない。
雷太は更にキョロキョロする。
「読め。」
今度ははっきりと本から声が聞こえた。
恐ろしくなり雷太は本を床に投げ捨てる。
すると本が風もないのにぺらぺらとめくれ始め、
同時に床を壊し下から本が大量に現れた。
「・・・・・・・・・・・・!!?!?!?」
雷太は驚きと?の余りの多さに声が出ない。
どんどん床から溢れる本の山は、やがて雷太の何倍もの高さになり止まった。
と同時に本の山の中から巨大なクロの上半身が現れた。
目が真っ赤に光っている。
「ぎゃあああああああ!!?」
巨大なクロは真っ赤な目で雷太を睨み、
「読め!読め!!読め!!!」
と狂ったように繰り返す。
「ぎゃあああああああ!!」
雷太は恐怖の余り叫んだ。
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