第79話 “眠起ーちゃん”


 「う〜ん・・・・・・・・・。」

 早朝、雷太はうなされていた。

 どうやら悪い夢でも見ているようだ。



 雷太は草原を歩いていた。
 絵に描いた様に綺麗なところで、上空をシラケ鳥が飛んでいる。

 「気持ち良いとこだな〜♪」

 と、突然地面が揺れ始めた。
 当然、雷太は立ち止まる。

 「な、なんだ・・・!?」

 と、雷太が言った瞬間地に
 巨大で真っ黒な穴が開き、雷太は落ちていった。

 「うわあああぁぁぁぁぁ!!?」



 ひゅううぅぅぅぅ・・・・・・どすん!



 「いっ・・・たたたた・・・。・・・・・・何だここは?」

 そこは真っ白に統一された部屋だった。
 雷太が落ちてきた穴はもう消えている。
 周りにあるのは真っ白な床と壁それだけだ。

 「・・・・・・どこだここ?綺麗だけど殺風景だな・・・。」

 と、雷太がキョロキョロしていると、
 上から何かが落ちて来、頭に直撃した。

 「〜〜〜っ!!いっっってえええ!!
  ・・・・・・・・・な、なんだあ?」

 落ちてきたのは本だ。
 真っ赤な表紙で少々厚めの本である。

 雷太はそれを拾い上げた。