「行っていらっしゃい。
  ヴェルサスさんは既に地上で待って居られます。
  ・・・・・・ああ、そうそう。二つ言う事を忘れていました。
  そのリストにある中で『☆』印がついている人はかなり御強いです。
  もし戦われるのなら、是非御気を付けを。」

 「・・・・・・ああ、分かった。
  (・・・・・・強いとは良いながらも相変わらず涼しい顔してやがる。
   ・・・・・・・・・全く、嫌な奴だ。)」

 「フフフ。
  あと途中でもし、『貴方が捜している彼』を
  見つけたらどうします?・・・・・・殺しますか?」

 「当然だ、俺とあいつは戦う運命にある。
  いずれ見つけ出し、必ず殺す!!」

 一瞬黒騎士から恐ろしき量の魔力が溢れた。
 彼の剣が蛍光黄緑の光に覆われる。

 「フフフ・・・・・・まあ頑張って下さい。
  では、行かれますか?」

 「ああ。」

 黒騎士は部屋にある非常用の扉に手を掛けた。

 「それはそうとどう行かれますか?
  知っていらっしゃる通りここは地上より遥か上空ですし・・・・・・。」



 ガチャ・・・・・・ひゅううぅぅぅぅ・・・



 「・・・・・・おやまあ、飛び下りられましたか。
  全く、無茶をされますねえ。」

 「全くです。」

 扉を開け、別の男が現れた。

 黒い上着に白いシャツと黒いネクタイ、そして黒のスラックスを履いている。

 白い紳士の髪が薄紫なのに対して、彼は綺麗な金髪だ。

 「おや、ケフェウス。帰っていたのですか。」

 「ええ。」

 「御帰りなさい。
  例の件は済ませて頂けましたか?」

 「もちろん、滞り無く。」

 「それは良かったです。」

 と、ケフェウスが何かを察知したように別の方向を向いた。

 「・・・・・・シヴィウス・・・今・・・・・・・・・。」

 「ええ、分かっていますよ。
  とうとうレインさんが・・・・・・。
  これでこのまま進めば、私達の『計画』は完璧です。」

 「今のところ『シナリオ』通りですしね・・・・・・フフフ。」

 「そうですね・・・・・・フフフ。」

 シヴィウスは席を立った。

 白き者と黒き者。
 シヴィウスの背には全貫きし蒼き剣が、
 ケフェウスの背には金色の抜け巴が描かれている。

 「それではまた御会い致しましょう、読者さん。」

 「それでは。」



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