第77話 “幽体”


 バシャッ!!



 「・・・う、う〜ん・・・・・・寒っ!?
  ・・・・・・・・・あれ?・・・俺、一体・・・?」

 「・・・気付いたか?」

 「あ、クロ。
  ・・・・・・俺、どったの?」

 どうやら気絶していたらしい。
 クロが水を掛け雷太を起こしたようだ。

 「レインを見て気絶したんだよ。」

 「・・・・・・・・・レイン?」

 「ああ、幽体の事だよ。」

 「・・・・・・ああ、そう・・・。
  幽体ね幽体・・・・・・・・・・・・幽霊!?
  そうだクロ!?幽霊どうなった!??」

 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」

 クロは溜息をつき、雷太の真後ろを親指で指差した。

 「・・・・・・ん?・・・・・・・・・・・・!!?」

 何と向こうで皆が普通にレインと談笑している。

 「え?何、あれ・・・・・・????
  ・・・・・・なあクロ、もしかして幽霊を見て驚いたのって・・・・・・俺だけ?」

 「ああ。」

 クロは煙草を吸いながら答えた。

 「・・・・・・・・・なんか俺、・・・・・・悲しくなってきたな・・・。」

 「だろうな。」