煙の中にいたのは女性だった。なんとランプの中にいたのだ。
 ただまあ一応、それはおかしすぎる事ではない。
 人間や魔族の封印方法等は今でも伝わっているからだ。

 しかし・・・・・・この女性は何かが違う。



 ・空中に少し浮いている。
 ・体が透けていて向こうの景色が見える。
 ・頭の両横に青い人魂が一つずつ浮いている。



 そう、彼女は恐らく――――――

 彼女はしばらく目をつぶり窓から入る
 太陽光線の心地よさにぼ〜っとしていた。
 自分に突き刺さる驚愕の視線の気付かずに・・・・・・・・・。

 世界の中でこの空間のみ時が止まってしまったようだ・・・。
 それ程音も動きも全くない。

 「・・・あ・・・・・・ゆ・・・ゆゆゆゆゆゆ・・・!」

 とうとう雷太が声をだした。

 妙に震えた声が聞こえたので、
 不思議に思ってか彼女も目をパチッと開けた。

 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」

 「・・・・・・・・・・・・ゆ・・・・・・・・・・・・。」



 時が、一瞬止まった。



 「うわー!?幽霊だー!!!??」

 「きゃ、きゃ――――――!!」

 叫んだのは二人だけだった。



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