「で、あんたに用があって来たんだよ。」

 二人の社交辞令的挨拶をつまらなそうに見ていたアズキが言った。

 「そうね、何かしらアズキさん?」

 「あんたカウンセリングとか得意だったろ?
  悪いが雷太坊やの悩みを聞いてやっとくれ。」

 「えっ!?」

 雷太は驚いた。

 アズキは雷太を慰める為にここまで来たのだ。

 「雷太君の?」

 「君付けなんかいらないさ、坊やで良いよ。」

 「いや待て、そこは俺の意思を・・・。」

 「坊やの悩みを?」

 「無視ですか!?」

 「そうさ、あと何か出しとくれ。
  お金は雷太が払うからさ。」

 「え!?」

 雷太は拒否する事も出来ず、
 アズキにはミルクが、雷太にはバナナミルクセーキが出された。

 「で、何かしら?」

 「う〜ん・・・・・・。」

 いざ向き合われたものの、雷太はアズキの時のように尻込みする。

 「言い難いの?」

 「・・・・・・それもあるけど、組織者特有の悩みなんだ。
  幾らカウンセリングが得意だからって分かるかどうか・・・・・・。」

 早苗は優しく微笑んだ。

 「大丈夫よ、ここには色々な人が来るの。
  普通の人から組織所属者、はたまた犯罪者まで。
  私も良くわからないけど、何だか頼りにされているみたい。」

 「は、はあ・・・・・・。」

 「あのクロさんだってくるのよ?」

 「クロが!?」



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