第68話 “遺恨の咆哮”


 三人が空中に消えた空を、雷太は睨む。
 その拳は固く握られたままだ。

 同時に炎の境界線も消え、新太郎が歩いてきた。

 「・・・・・・やられたな・・・。」

 「・・・・・・ああ。」

 雷太は目を合わせずに答えた。

 「あと一歩だったってのに逃げられちまった・・・。
  いくら相手が謎の能力を発動した後だからってな・・・・・・・。」

 「・・・・・・それは俺も同じだ。」

 この言葉に雷太は初めて戦闘後に新太郎を見た。

 「倒した相手を逃したんだからな・・・。
  たっぷりと聞く事があったんだが・・・・・・。
  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・情けねえな・・・・・・。」

 二人は御互いの拳を相手の拳に合わせた。

 「・・・・・・もっと強くならないとな・・・。」

 「・・・・・・・・・ああ。」