第62話 “炎、氷、雷”


 対峙するそれぞれ2人。

 雷太は構え思考をめぐらす。

 「・・・・・・・・・・・・。
  (さっきもこいつは炎をだした・・・。
   前の秋葉と同じ炎の能力者か・・・・・・なら・・・。)」

 「考えてるな?俺が炎系だろうと・・・。」

 「!」



 ボォウ・・・!!



 エイジニアスの両手から炎が噴出した。

 「その通り、魔法じゃねえ、能力だ。
  そしてまたしてもその通り俺は炎使い。
  ・・・・・・・・・ならどうする?」

 「こうするさ!
  水魔法『水流放出(スパート・H2O(spout hydrogen2oxygen))』!!」

 「!?」

 雷太の左手から水流が放出される。
 エイジニアスは両腕を顔の前で交差させ水流を受ける。
 当然、腕の炎は燻り、すぐに消えた。

 これ、大した魔法に見えないかもしれないが実はそうでもない。
 実際、エイジニアスは今動かないのではなく動けないのだ。
 水流が強いので押され前に進めないし、少しでもバランスを崩したり
 逃げようとすれば弾かれて隙を作ってしまうだろう。

 雷太は左腕を動かさぬまま右手で背のシルヴァトゥースを抜いた。
 ゆっくりとエイジニアスに近付こうとする。

 「中々良い戦法じゃねえか感心するぜ。
  このままじゃあ炎出せずに斬られちまあな・・・。
  ・・・・・・・・・・・・・・・だ、が・・・。」



 ピキ・・・ピキピキ・・・



 「・・・!?・・・水が!」