第61話 “炎の境界線”


 「『PSY』・・・だと?」

 「そうだ、『ブラックメン』副総長、龍 雷太。」

 PSY・・・。
 通称『大自然の王』。
 世界で二番目に強いと言われる組織だ。

 「どうしたあ?びびっちまったか?」

 エイジニアスが眉をあげて聞いた。

 「・・・・・・・・・・・・・・・いや。」

 雷太は静かに笑った。

 「どうせ戦う。
  むしろ早く戦えるようで何よりだな。」

 「良い度胸じゃねえか。
  今回は龍 雷太を狙ってきたが、
  同じ副総長の乾 新太郎まで殺せるのは幸運だな。」

 「はっ!返り討ちにしてやらあ。」

 新太郎が挑発を返した。

 「ほう?せいぜい噛んでみやがれ窮鼠共。
  覆水盆に返らずだ容赦はしねえ。
  ・・・・・・・・・セン!!」

 エイジニアスが叫ぶと、傍の砂が盛り上がり、
 あと一人現われた。
 髪の色は白、背は雷太ぐらいの若者で、
 長髪に顔が半分ほど隠れている。

 「相変わらずキメえ登場すんなあてめえは?」

 エイジニアスが眉を顰めて言った。

 「・・・済みません・・・・・・。」

 砂を落としながらセンと呼ばれた者が無表情で応える。