クロは短くなった煙草を灰皿に押しつけ、新しい煙草に火をつけた。
彼はヘビースモーカーだ。
彼の家では、一部屋に3台は超高性能空気清浄機が置いてある。
彼は、椅子にもたれて煙草を深々と吸った。
「・・・・・・しかし・・・・・・あいつの言ってた『好きな人』っていうのが氷雨とはな・・・。
・・・・・・・・・・・・これも、宿命ってやつか・・・・・・。」
彼は、机の上で足を組み、左手で煙草を持っている。
机上の書類が汚れようが崩れようが気にしない。
そのようなものはすぐに直せる。
二度と直せないものは幾度と無く失ってきた。
「・・・・・・安心しろよ雷太・・・。・・・俺も・・・いい加減、待つのには飽きたんでな・・・。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・それによ・・・・・・。
もういいだろ?・・・ちゃんと、『約束』通りお前の時代まで、・・・・・・待っててやったんだぜ・・・。」
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