第56話 “ウオルター・ハイドレート”


 懇親会の次の日、雷太はホテルで目が覚めた。

 今日も爽やかに朝日が射し、上空にはシラケ鳥が飛んでいる。

 「よお、起きたか寝ぼすけ。」

 雷太が目をこすっていると、新太郎が声を掛けた。

 「あ〜、お前早いな・・・・・・。」

 そのまま雷太は顔を洗いに行った。

 「・・・・・・あれ?お前いつ帰ってきたんだ?」

 着替えながら雷太が新太郎に聞いた。

 昨日の懇親会ですっかり遅くなった雷太だが、
 それでも新太郎は帰ってきていなかった。
 適当に帰ってくるだろうと思い、先に寝たのだが・・・・・・。

 目の前には着替えを済ませ涼しい顔をした新太郎がいる。
 しかも、既に朝食まで済ませているらしい。



 「で、つまり今日は一日中引きこもって魔力溜めるってわけか?」

 雷太の話を聞いた新太郎が聞いた。

 「いや、そういうわけじゃない。
  ただ単に魔法使わなければ良いんだ。
  だから今日は色々場所回るつもりだ。
  ・・・・・・お前は?一緒に回るか?」

 雷太の誘いに新太郎は頭を振る。

 「いや、今日もちょっと行くところがあるんでな。
  明日までだし、こっちはこっちで満喫しとくわ。」

 そう言うと新太郎は出かけていった。