第55話 “姫と王子”


 話し合いが始まって30分後、
 ようやく意見がまとまったらしい。

 「じゃあ、明後日に『C・Kの封印』へ集合。
  明日は魔法を使用せずにひたすら魔力を溜めておく。
  ・・・・・・で、良いな?」

 「はい♪」
 「・・・・・・はい。」
 「良いわよ。」
 「分かりました。」
 「ふん♪良かろう。」
 「御意。」

 皆それぞれが了解の言葉を発した。

 「決まりだな。
  ・・・・・・じゃあどうしようか?解散するか?」

 雷太がそう言うと、リーネが手を上げた。

 「だったら、このまま懇親会でもやりませんか?
  中々集まる機会ありませんし。」

 「そういえばそうだな。
  このまま別れてしまうのも惜しいし・・・・・・。
  誰か不都合なのいるか?」

 どうやら、皆都合が良いようだ。

 《つまり、飲み会が始まるのな?》

 「ふん♪中々良いな下僕共。
  しかし、この座布団とやらは好かぬ・・・・・・。
  王子!王子はおらぬか!?」

 姫子が軽く手を叩きながら言った。

 「・・・・・・王子?」

 皆が不思議に思っていると、障子が静かに開いた。

 「御呼びですか?姫?」

 入ってきたのはここで最初に雷太へ声を掛けた、若いマスターだ。