一方その頃、シンはまだ携帯で話している。

 「まあ、敵の事知りたいさかいわざと近付いたんたけど、
  ヤイバも見れたし、中々ええもん見れたと思うわ。」

 携帯の向こうからは明るい返事が返ってくる。

 「まあ、確かに龍 雷太も面白かったけど、
  わいは・・・・・・・・・乾 新太郎に少し興味が湧いたな・・・。」

 風が吹き、再び砂塵が舞い上がる。

 「じゃあ、行くわ。
  あんさんは引き続き『清さん』の捜索頼むで?」

 そう言うとシンは携帯を切った。

 「しかし・・・・・・甘い、甘いなあ・・・。」

 後ろの砂が動いている。

 「砂熊は凶暴な上知能が高い。
  一度やられた相手は執念深く追い回すで?」

 突如砂塵が吹き上げ、砂の中から砂熊が現われた。
 先程雷太のヤイバにやられたやつが、ずっと付いて来ていたらしい。

 シンは動じるどころか、振り向かない。
 勢いそのまま、右腕がシンに振り下ろされる。

 「・・・・・・25000。」



 パァン!



 「さて、そろそろわいは行くか・・・。
  上空にやっかいなお客さんもおるしな。」

 そう言うと、シンは再び砂漠へと入っていった。

 後には何も残らない。
 砂熊は影も形も無い。
 僅かに残るは、・・・・・・・・・数滴の血痕。

 世界最高額レベルの賞金首。

 “プロフェッショナル” 真宮行寺ヶ原=シン。



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