クロは刀を鞘に納めた。

 2本ある日本刀のうち、1本は白塗り、もう1本は黒塗りの鞘だ。

 そしてクロは椅子に座った。

 彼の机には、色々な書類がきれいに高く積まれている。

 「・・・で、どうだったこの3年は?少しは強くなったか?・・・・・・『第一級魔導士』。」

 雷太は明るく答える。

 「ああ、ここ3年修業しまくったからな。『零魔導士』の座は近いぜ!!」

 「そうか。」

 「ああ、でも流石に3年の間で色々な事があったぜ。」

 「・・・まあ待て、それは酒の肴に聞こう。」

 クロは微笑して言った。

 「それにお前は、3年の感想を言うために、真っ先にここに来たわけじゃないだろ?」

 雷太も笑った。

 「やっぱばれてたか、流石クロ。
  ・・・実はそうなんだ。俺が自分の家より先にここに来たのは――――――

 「ここ3年の世界情勢を知りたいから。」

 クロと雷太は同時に言った。

 「ああ、そうだ。」

 クロは一瞬目を伏せた。

 「・・・ここ3年の世界情勢か・・・。・・・まあ確かに何も無い事はないんだが・・・・・・。

  ・・・まず言える事は、我が組織『ブラックメン』はここ3年間全く活動していない。」

 「・・・・・・・・・・・・は?」



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