ところかわりクロの家、図書室No.1。

 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」

 非常に静かだ。
 建太郎と霞は既に出て行ったらしい。

 「・・・・・・・・・うおっ!?」

 雷太はテーブルから跳ね起きた。

 読んでいる途中で爆睡していたらしい。

 「げぇっ!?もう夕方の6時じゃん!?
  時雨ちゃんには3時頃帰るって言ってたのに!?」

 《よっ!遅刻大魔王!》

 「やかましいっ!・・・・・・帰ろっ!」

 本を本棚に戻し、雷太は図書室No.1を出た。

 《こらこら、廊下を走るな。》

 「無理な事言うな!」

 なんとか記憶を辿り雷太はクロの家を出た。

 帰り道は誰とも会うことは無かった。

 が、クロの家の屋根の上に立ち、
 道を急いで帰る雷太をじっと見つめる影があった。
 昼雷太が道ですれ違った、全身黒尽くめで、『半サングラス』を左目に掛けた男である。

 「・・・あれが龍 雷太か・・・・・・。
  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・可哀想に・・・。」

 そう言うとその男は、屋根の上から一瞬で消えた。



 数々の組織達。
 IFP。
 その他の強者達。

 彼ら全てを倒すか認めさせなければ、
 世界を奪る事など、到底不可能なのだ。



 世界は、動きを求めている。



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