ここはIFPのある基地。
 ちなみに本部ではないが、相当な規模のようだ。

 その廊下を二人の人物が歩いている。

 一人は黒青髪の男。もう一人は緑髪の女だ。

 「あ〜、やっと会議終わったぜ。」

 黒青髪男が面倒臭そうに言った。



 彼の名は『ヴァース・ジャスティダーク』。
 ヴィースと同じ背で、年は18歳。
 鈍く輝くような色の黒青髪に、整った顔をし、背が高いので女性には特に人気がある。
 IFP海軍部中佐であるが、なんと“強大組織”『メタルガーディアンズ』の幹部でもある。
 その能力の名は『ダークネシングソード』。
 何も無いところから闇の剣を作り出す能力だ。
 その斬れ味は凄まじく、今のように厚い壁を斬る事も出来る。
 IFPにもメタルガーディアンズにも、必要とされている存在だ。



 「そうね・・・。今回は微妙だったわ。」



 彼女の名は『リーネ・エイトン』。
 身長はヴァースより低く、年は25歳。
 髪の色は緑で、その髪はかなり長めだ。
 組織に入っているどころか、彼女は組織が大嫌いらしい。
 それどころか、憎んでいるに近いものがある。
 ただ、組織のメンバーを嫌いなわけじゃないらしく、
 それ故に普通にヴァース等と会話しているのだ。



 「最後の方はレディン大佐の謝罪だったしな・・・。」

 「そうね・・・、あの人は悪くないのに・・・。」

 ちなみに会議というのは月一の定例会議の事だ。
 この会議にはIFPの少尉以上で来れる者は必ず出席義務のようだ。
 ただ、秋葉軍曹のように特例で会議に呼ばれる事も少なくはない。

 「お〜い!」

 後ろから呼ぶ声で、二人は振り向いた。

 「よう、ヴィース。やっと解放されたか?」

 ヴァースはにやっと笑った。

 「うん、レディン大佐にちょっと色々とね・・・。」

 ヴィースはにこっと笑った。

 本当にこの二人は良く似ている。
 傍目から見ると間違いなく双子なのだが、実は一切関係が無い。
 能力も酷似しており、髪の色さえ違わなければ全く分からないだろう。