第43話 “ミルフィ・アウター”


 ここは雷太の家、朝6時の早朝だ。

 いつも通り、雷太はあほ面で寝ている。

 「う〜ん・・・むにゃむにゃ。氷雨さ〜ん・・・。」

 雷太は寝言を言って寝返りをうった。

 《キモい。》

 ・・・と、何やら人の気配がする。

 「らいたさ〜ん、あ〜さで〜すよ〜?」

 「フ・・・フガフガ・・・フガッ!!・・・ん?朝?
  ・・・・・・あれ?まだ6時ですよ氷雨さん?」

 《小猿は寝ぼけているようだ。》

 「・・・?わたし〜、おねえちゃんじゃなくてぇ〜しぐれですよ〜?」

 「あ・・・ごめん。(この姉妹は似すぎてて困るな・・・。)」

 実際、声も全く同じである。
 ただ、氷雨が雷太の家にいるわけがない。

 《夢を見るな!!》

 「・・・・・・・・・。(朝っぱらからうるせえな・・・。)
  でも、まだ6時だよ。起こすの早くない?」

 時雨は目をぱちくりさせた。

 「なにいってるんですか〜。らいたさんがぁ、
  『明日、仕事早いから早く起こして。』
  っていったんじゃないですか〜。」

 雷太は少し頭を整理した。

 「あ、そうか・・・・・・やばっ!
  急がないと・・・!・・・朝食出来てる!?」

 「はい〜。もうできてますよ〜。」

 「ありがとっ!」

 そして雷太は、急いで着替え洗顔などを済まし、
 朝食をかきこんだ。

 ちなみに、当然だが美味い。
 氷雨と全く同じである。

 「じゃあ、行って来るよ。」

 「はい〜、いってらっしゃ〜い♪」

 雷太はメリーストリートへ向かい走って出かけた。