「・・・・・・・・・・・・・・・。」

 雷太は目をそらしてコーヒーを一口飲んだ。

 そこへ、時雨が一言。

 「なんか〜、さっきからみてると
  まるでおねえちゃんのことがすきなひとみたい〜〜〜。」

 「・・・!!!?」

 「!?」

 氷雨は顔を紅くし、雷太はコーヒーをブゥ―――ッ!っとふいた。
 が、それは『少年小説における女性保護の法則』により
 氷雨や時雨にはかからずに消える。

 《・・・・・・なに?その意味不明な法則・・・?》

 「な・・・ななな、なに言ってるんですか!?」

 雷太が慌ててごまかそうとする。

 「そうよ時雨!そんなこと、あ、あ、ありえないわよ!」

 氷雨も何故か慌てている。

 「そうかな〜?」

 時雨は首をかしげる。

 少々、気まずい沈黙が流れた。

 「あ、あの、私、クロさんに用事を頼まれているのでもう行きますね。」

 氷雨はそそくさと立ち上がった。

 「え、あ、そうですか・・・。あ、どうも。」

 雷太は座ったまま意味不明な返事をした。

 時雨は首をかしげる。

 「え〜?でもおねえちゃん、
  きょうはなにもよていないって・・・むぐぅ〜?」

 氷雨は時雨の口を手でふさぐと、足早に歩き出した。

 「そ、それでは失礼しますね?」

 氷雨は慌てるように出て行った。

 「へんなおねえちゃん〜?」

 「・・・・・・・・・・・・。
  (わ〜ん、氷雨さんが行っちゃったよ〜。)」



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