氷雨は廊下を歩いていた。

 その目には涙があふれ、頬を伝い落ち、床を濡らしている。

 「・・・・・・・・・・・・アーク・・・。」

 彼女は何かをつぶやいた。

 人の名前のようだ。

 しかし、それは誰にも聞こえなかった。









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