雷太は店に入った。

 「こんちわ〜っす!」

 「ああ、お早う雷太君。」

 店長の石田が返事をした。
 他の店員も続いて挨拶を返す。

 数日前は話題になり色々聞かれたものだが、
 今となってはさっぱりだ。
 平和という事で、それが一番良いのだろうが。

 ちなみに瞬と燃は今日は休みらしい。

 奥で着替えて、接客に入る。

 と、そこへ石田が声を掛けてきた。

 「雷太君。彼女が君と話したいっていうんだけど。」

 雷太は不思議に思い聞く。

 「彼女?誰です?」

 「あたしだよ。」

 「・・・・・・・・・?」

 雷太は辺りを見回した。
 しかし、誰もいない。確かに声が聞こえたのだが・・・。

 「・・・誰もいませんけど?」

 雷太は石田に言う。

 「いや・・・・・・ちゃんと下にいらっしゃる――――――

 「・・・・・・『猫アタック』!」

 「ぐほっ・・・!!」

 突然、白黒毛の猫が雷太の腹に頭から突っ込んできた。
 雷太は勢いですっ転ぶ。

 「全く・・・・・・あたしを忘れたのかい?」

 そこに立つのは猫だ。
 ただし・・・・・・・・・・・・。

 《しゃべって、二歩足で立っとる!!???》