「・・・▲7七角・・・王手!」

 年配の男は笑った。
 相手は動じず考える。

 「・・・・・・・・・△4九王。」

 「・・・お、逃げたか。」

 男は笑みを浮かべる。

 「・・・・・・▲8八龍。・・・婆さん、角いただきだ。」

 婆さんと呼ばれた相手は考える。

 と、そこへ見えるは雷太の姿。

 勤め先、『某超有名ハンバーガーショップ』へ入っていく。

 「お、とうとう来たようだね。雷太坊や。」

 「・・・あ?龍 雷太か?」

 「ああ、悪いがもう行くよ。」

 婆さんと呼ばれた者は立ち上がった。

 年配の男は慌てて引きとめようとする。

 「おいおい待て待て!せめて勝負付けてから――――――

 「△2二飛成、詰みだ。詰めが甘いんだよ坊や。」

 「・・・・・・?・・・げげっ!!」



 彼女は歩いて行く。


 『某超有名ハンバーガーショップ』へと。


 その歩みは四足歩行だ。・・・・・・いや、二足へ変わった。


 「にゃ〜〜〜・・・。」



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