全員があっけに取られた。

 鉄壁が・・・内側に深くへこんだ・・・・・・。

 当然、雷太は何もしていない。
 機械の誤作動でもない。逆に衝撃で上昇が止まってしまった。

 雷太は頬に汗を伝わせつぶやいた。

 「・・・・・・まさか・・・・・・・・・嘘だろ?」

 秋葉もため息を漏らし、つぶやく。

 「・・・・・・・・・・・・遅かったか・・・・・・終わったな。」



 ドゴォオン!!!



 再び轟音が響いた。

 もう壁はへこむどころではない。
 へし捻じ曲げ伸ばされ、ひびが入りまくっている。

 ヴィースはがらになく青くなった。

 「・・・冗談だろ?・・・・・・早すぎですよ、大佐。」

 急いで部屋を出、大広間へ向かう。

 ジョー・ディヴィルの本は見たことがある。
 絶賛だった。ジョー・ディヴィルが。

 IFPの中でも有数の実力者。通称『鉄人』。



 ドゴォオオオオオン!!!



 鉄壁に大きな穴が開いた。


 壁の向こうには、人が一人立っている。


 武器は無い。


 通称『鉄人』。


 その由来の一つ――――――


 『鋼鉄を素手で破壊する男。』


 IFP空軍部大佐:神谷 新右衛門。



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