第24話 “おいでませIFP空軍部第5支部基地
       −組織者&犯罪者大歓迎!
              死ぬほど歓迎致します。−”


 ここはIFP空軍部第5支部基地内の講堂。

 激しい拍手に見送られ、今一人の人物が出てきた。

 先程の『部屋内の男』とは違う人物のようだ。

 目には『くま』もないし、なによりさっぱりしている美形顔だ。

 「お疲れ様です!中佐!!」

 元気の良い挨拶と共に、IFP兵の一人が飲み物を差し出した。

 「ありがとう。」

 男は明るく答えると、それを受け取り飲んだ。

 どうやら彼は中佐という高位の上官らしい。
 もちろん強さは一般兵とは比べ物にならない。
 ただ、彼は例の『鉄人大佐』とは違い、
 『見回り警備強化&付近悪討伐』などではなく、講演をして回っているだけのようだ。

 IFPの活動自体は停止していても、兵の士気を失わない為に
 定期的に上官が講演などを行っている。

 そして講堂の垂れ幕にはこのような題が書かれている。

 『組織所属とIFP所属の両立について。』

 「・・・・・・・・・。(ここの基地への滞在も今日で終わりか・・・。)」

 そう考えながらも中佐は、兵の敬礼を会釈で返している。

 「・・・・・・。(最後に、あの人に挨拶をしておかないとな・・・。)」

 どうやら、『あの人』というのは例の『部屋内の男』らしい。
 中佐は、たまたま通路を通っていた女性兵士に声をかけた。

 「君、ちょっといいかな?」

 「!!?・・・は、はい!」

 驚いた女性兵士は、敬礼も忘れ返事をした。

 光り輝かんばかりの金髪を持つイケメン上官に声をかけられ、目がハートだ。

 「『あの人』のところへ行きたいんだが、少し案内してくれないか?
  何分、道を覚えるのが下手でね。」

 「・・・は、はい!喜ん――――――

 突然、基地全体に警報が鳴り響いた。
 人が大勢で移動する音が聞こえる。
 女性兵士は基地専用無線ですぐさま内容を確認したようだ。
 あいにく、中佐は持っていない。

 「・・・・・・内容はなんだい?」

 中佐が聞いた。
 女性兵士が先程とは全く違い真面目に答える。流石は鍛えられた兵士というところか。

 「侵入者です!突然現れ、基地内を現在も逃走中との事です。」

 「・・・・・・。(このご時勢にIFPの基地内に侵入するとは・・・。どんな命知らずなんだ?)
  その侵入者の名は?」

 女性兵士は無線に耳を向ける。

 「確認しました!
  名前は『龍 雷太』、“強大組織”『ブラックメン』の副総長です。
  いかがいたしましょう?『ヴィース中佐』!?」

 「・・・・・・・・・・・・・・・な、なんだって???」