――――――と、その時。



 ボンッ!



 火も消えていた城が再び爆発した。
 不発の爆弾が時間差で爆発したらしい。
 雷太に直接の影響は無いが・・・・・・。

 「・・・・・・うわ!・・・は、はくしょん!はくしょん!!」

 爆発で舞った灰が、鼻に入ったらしい。

 「はくしょん!!・・・・・・あーもうたまらん!ここにはもう用はないし、さっさと行こう!はくしょん!」

 再び魔力を集める。

 「移動魔法『空間わ・・・・・・(ワ・・・・・・(w・・・・・・))』・・・・・・は、・・・・・・は・・・、」

 これはまずい。  魔法の名前の名前詠唱中にまたくしゃみが・・・・・・。

 「・・・・・・は、・・・・・・は・・・・・・、『?????(ワーぴゃ(war?????))』!!」

 《・・・!??ワーぴゃ!??》



 ジュッ・・・・・・



 《ジュッ!??》

 雷太は消えた。
 そこには誰もいなくなった。



 どがしゃぁっ!!

 雷太は雑に積み上げられた何かの上に落ちた。
 元から崩れていたので、大した被害ではない。
 ただ――――――

 「痛てて・・・・・・。あれ?どこだここ?」

 雷太の家ではない。うっすらと電灯が光っている。

 「何これ?・・・・・・・・・・・・銃?」

 雷太は拳銃の山の上に落ちたらしい。相当な数の拳銃が山積みに鳴っている。
 どうやら、どこかの武器倉庫のようだ・・・。
 当然、雷太の家にはない。そもそも、雷太は銃を使わない。

 「・・・・・・・・・まさか・・・・・・、うわ・・・。」

 先程の詠唱失敗で、滅茶苦茶な場所に飛んだらしい。

 「初めてだよ魔法失敗したの・・・・・・。・・・・・・で、ここどこだ?」

 当然、倉庫内に場所が書いてあるはずも無い。

 外に人が歩く音が聞こえる。

 雷太はとりあえず起き上がり、拳銃の山を降りた。

 「とりあえず、こんなところさっさと出なきゃな。」

 彼は出口を捜す。

 雷太はまだ知らないが、出口の向こう側には入り組んだ廊下があり、
 その所々にはこう書かれている。

 最悪の文字。



 『IFP空軍部第5支部基地』。




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