ここはジェライス山。
 天候は一部以外雪。ただし、時々爆発なのでご注意を。

 「あ゙〜・・・!どうすればいいんだ!!?」

 雷太は頭を抱えていた。
 無理はない。クロに連れて来いと言われた人物が爆死したのだ。
 しかも連れて来れなければ『世界が滅ぶ』ときたものだ。

 一方、健とD・Jは冷静だ。
 何も言わずに、城の跡形を見ている。
 見方によっては驚き呆けているようにも見えるが、何かを待っているようにも見える。

 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」

 粉が舞う。

 「・・・・・・あ、やっと来たぜ。・・・おーい雷太君、そこそこ。」

 D・Jが雷太に呼びかけた。

 雷太はD・Jが指さした先を虚ろな目で見ていたが、
 そのうち目はかっと見開き、口があんぐりと開いた。



 腕が浮いている。



 正確には白衣を着た右腕だ。
 手と腕のみが空中に静かに浮いている。

 と、そのうち粉のような、煙のようなものがその場に集まってきた。
 次第にそれは集まり、人の形を創る。

 やがて、デュークは復活した。
 爆発前と何も変わらない様子、笑顔で頭をかいている。

 同時に、近くで激しい音がした。

 城の、爆発で壊れ崩れかけた門が無理やり開かれ、啓太が出てきた。
 無傷だ。服に焦げすらついていない。

 雷太はますます、開いた口がふさがらない。

 しかし、健とD・Jは見慣れているらしく、普通に彼らに話しかけている。

 驚きの一方で妙な疎外感を感じる・・・。

 その内耐え切れなくなった雷太は、とうとう話しかけた。

 「あ、・・・・・・・・・あの・・・。」

 「ん、な〜に雷ぷ〜。」

 「何ですか?」

 「何?」

 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」

 4人はそれぞれに返す。