第22話 “古の城の面々−啓太とデューク−”




 (前略)・・・さて、ここでは現在世界中に確認されている

 『能力』と『特殊能力』についてお話いたしましょう。

 両方とも、『人知を超えた不思議な力』というのは間違いありませんが、

 この二つは名前は似るとも全く別のものであり、入手方法も違います。

 それでは、二つの違いを御覧下さい。



 ―――能力―――

 能力とは、元々その者には無い、特殊で人知を超えた力を思いのままに使う事のできるものである。

 それぞれ違った名前を持ち、その名前通りの力が発揮される。

 また能力には様々なタイプと階級があり、

 基本的には階級が上の能力ほどその力も強く、用途も広い。
 (階級は能力を持った本人しか分からないのが難点ではあるが。)

 ちなみに数ある能力だが、同じ能力は決して存在しない。

 どうやら、手に入れた本人の『才能』にもよるらしい。

 しかし、『能力をどうやって手に入れるのか』。

 これは未だに知られていない。

 能力者たちは、一切情報を漏らそうとしないか、自身も知らないのだ。

 いずれ解明した暁には、本に記そうと思う。



 ―――特殊能力―――

 特殊能力とは言わば、『種族専用の能力』の事である。

 つまり、ここの一族に元から備わっている当たり前の力のことであり、

 例えて言うならば、

 ・龍人族(青竜族)が火を吹く。(体内に炎を生成する器官なんて在るはずが無い。)

 ・天使族が背の翼で空を飛ぶ。(人間の体系では如何に筋肉があっても不可能。)

 などである。

 つまり、その種族が当たり前のように使ってはいるが、

 体の構造などでは全く説明しようが無いもの。

 それが特殊能力である。

 また、特殊能力において最も特筆すべき点はその入手方法であり、

 なんと才能さえあれば、誰にでも習得できるものなのである。

 ただし、それは極めて異例であり、他種族の特殊能力を会得できる事は、

 甚だ珍しいという事を、ここに記しておく。






 『ジョー・ディヴィルの本:能力と特殊能力』より一部ずつ抜粋