「あ、こんにちは。」
雷太も慌てて挨拶を返す。
「こんなところに人が来るなんて、久し振りだなあ・・・。
どうしたの?迷ってここに来たとは思えないけど・・・・・・。」
「『デューク』って人に会いに来ました。クロの使いで。」
緑髪のものは目を丸くする。
「もしかして、君って・・・、『龍 雷太』君?」
「・・・・・・そうですけど・・・?」
「それなら話は早い。君が来ることはデュークから聞いてるよ。
俺の名は『D・J』。この山頂の番人みたいなもんさ。」
「・・・は・・・はあ・・・。」
D・J。恐らく、本名ではないが、それでも珍しい名だ。
「とりあえず、デュークはこの先の城に住んでる。行こうか。」
「は・・・はい。」
二人は歩き出した。
しばらくすると、目の前に巨大な城が現れた。
かなり前に建てられたものらしく一部が崩れ、他の部分も老朽化が激しく、いたるところにつたが巻いている。
が、腐っても城。雄大な事に変わりは無い。
「すげえ・・・・・・、・・・汚いけど・・・。」
雷太は圧倒されると同時に、正直な感想を漏らした。
「手入れしていないからボロボロなんだよね。一階の一部と地下しか使ってないし。」
D・Jが答える。
デュークは城の地下に住んでいるらしい。
「へえ〜〜・・・。」
「ここには俺とデュークを含めて、6人が住んでるんだ。
・・・・・・最も、俺を『人』と数えていいのかは知らないけど。」
雷太はこの言葉に疑問を持った。
「なんで?どうみても人だけど・・・。」
「・・・・・・・・・?・・・。」
D・Jは不思議そうな顔を返した後、納得したようにうなずき微笑した。
「そうか、見た目じゃわからないか・・・。
実は俺、人間でも魔族でもないんだ。」
「・・・えっ!!?」
雷太は驚愕した。
人間でも魔族でもない。そんな生物は聞いた事が無い。
「・・・・・・でも、・・・どう見ても人間か人間型の魔族だけど・・・・・・。」
「まあ、見た目には分からないさ。
俺は・・・・・・『ロボット』だからね。」
「・・・・・・・・・・・・ロボット!??」
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