「僕はクロにとても大きな借りがある。
  正直今の僕がここにいられるのはクロのおかげだと言っても過言じゃない。
  それに、クロが『世界の統轄者(レイン・ルーラー)』を
  目指す理由は他とはちょっと違うんだ。
  そういう男がなったら、世界は面白いと思うな。」

 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」

 雷太はクロが闘う理由を知らない。
 何度か聞こうとしたが其の度にはぐらかされてしまう。
 クロには何か特殊な理由かやりたい事が有るのだろうか・・・?

 「まあ、きっとその内話してくれるよ。
  雷ぷ〜はクロにとって大切な仲間だからね。」

 そんな雷太の心情を察したかの様にヴァンは言った。

 「捨て子で、『ある人』に拾われて、クロに出会って、
  寿命では死なない人生だしクロの夢を叶えたくなった。
  只彼を『世界の統轄者(レイン・ルーラー)』にすれば良い、
  そう思ってたんだ・・・・・・・・・・・・先日まではね。」

 「・・・・・・先・・・日・・・?」

 先日起こった事といえば・・・・・・。

 「先日現れたんだ・・・・・・。
  もうクロ達しか知らないと思っていた僕の本名を知っている者。
  少なくとも本名の一部を知っているあの男。
  全く関係が無いはずの男が・・・・・・。」

 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」

 「アルハザード・・・。
  彼が何者なのか、僕は知る必要が有る。」



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