第169話 “闘の理由−ヴァン・V・A−”


 「僕が何故闘っているのか・・・・・・か。」

 「・・・・・・・・・・・・。」

 「捕捉すると、失礼ですが貴方は謎だらけなんです。」

 黒木が切り込んだ。

 「クロさんの友人という事は承知していますが、
  其れだけで命を懸けて組織大戦に挑めるものでしょうか?
  しかも強大組織を一つ立ち上げてまで。
  正直、何か別の大きな理由が有るのかと・・・。」

 「なる程。」

 ヴァンは笑った。

 「まあそうだろうね。
  むしろ其れ等を説明せずに良く今まで一緒に
  敵を倒したり行動してくれたと思うよ。
  じゃあ、ちょっとだけ昔話も入るけど良いかな?」

 「どうぞヴァンさん。」

 「師匠が宜しいのでしたら私も。」

 「まず簡潔に言おうかな。
  僕が闘っている理由、
  クロを『世界の統轄者(レイン・ルーラー)』にする事、
  そして『三人の鬼』を倒す事さ。」

 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」

 「三人の鬼・・・・・・。」

 「ああ・・・・・・、僕は彼等が許せない。
  氷鬼ティノス、大戦狂鬼ノヴァ・ブランク、
  そして鬼人のエースの三人を。」