第165話 “鋼鉄の都市”


 『鋼鉄都市:ヴィンターシュタール』

 其処を雷太と黒木は車で移動していた。

 「しっかし金属だらけの都市だなあ・・・・・・。
  というか機械が多いというか何というか・・・・・・・。」

 「此処は世界でも有数の発展した都市ですからね。
  最近は人の急増に伴って変わってきていますが、
  昔はもっと角々していて金属しかなかった様です。」

 「今でも大分ましになったって事か・・・。
  まあ俺達は組織者だ、身バレする前に行くぞ。」

 「分かりました・・・・・・が、師匠土産を買うと言っていませんでしたか?」

 「あ・・・・・・、そうだったなあ・・・。
  幾らヴァンさんとの仲だって土産ぐらいいるよな・・・。
  組織っていうからには構成員もいるんだろうし。」

 「じゃああそこの店で買いましょう。
  私も何か選びますので。」

 「そうだな。」

 二人は顔を隠し土産屋へと入って行った・・・。



 やがて店から出た二人。

 「・・・・・・・・・師匠・・・、何で此の都市に来たのに其れを・・・。」

 雷太の手には『鋼鉄都市ヴィンターシュタール名物:硬度煎餅(硬度1)』が握られている。

 「いやこういうのしか無くて・・・・・・、試食品滅茶苦茶硬かったし・・・。」

 「其れで硬度1を・・・。」

 雷太が買った硬度煎餅の硬度は最低の1。
 パッケージにはゴシックロリータを着たキャラクターが
 『此の軟弱者が!』と言っている絵が描かれている。
 ちなみに硬度1でも滑石程の硬さは有るので慣れていない人は注意し様。

 《小猿の探し方が悪いだけで普通の土産有るから、一応。》