第162話 “高見論戦”


 不敵な発言後アルハザードは席に着いた。

 「議長。」

 と思いきや直ぐ様手を上げる。

 「まずは仮面着用を失礼。
  これは外すわけにはいきませぬ故。
  早速提案なのですが、先程の高官殿とデューク君の会話の様に。
  一対一の対話形式にしては如何でしょう?」

 「ふむ・・・・・・・・・。」

 「弁護人も何も要りませぬし何より一対一。
  お互い言いたい事を耳障りでない程度に言う事が一番かと。」

 「・・・・・・・・・良かろう。」

 議長の令により完全にデュークとアルハザードの一対一の構図が出来上がった。

 「さて聞こうか?
  何故私がここに呼び出されたのか。」

 「君を人間界から追放する為さ。」

 「ああ、さっきも聞いたね。
  そして私が犯罪者だと堂々と言ってのけた。
  その勇気と判断力には拍手を贈ろう、しかし理由がなっていないな。」

 「理由?そんなものは一つだよ。
  皆さん!」

 デュークは高らかに声を上げ視線を集めると同時に、
 アルハザードを手で指し示した。

 「この男は魔界の者です。
  先日まで魔軍と名乗っていた、
  正式名称『魔界皇帝軍』に属する者。
  そしてこうも言ってのけました!
  魔界は既に粗制圧済みで有りやがて人間界にも侵攻、
  『真の世界の統轄者(ラ・レイン・ルーラー)』になると!」

 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」