第16話 “合意−必須の理由−”


 「断る。」

 「なっ・・・・・・!?」

 ウォルフは驚愕した。予測はしていたが本当に断るとは・・・。

 「・・・まずかったですか?」

 シーバスが聞いた。雷太は少々慌てて答える。

 「いや、おいしかったよ、ありがとう!・・・・・・ってかそれは関係ないだろ。」

 「じゃあ、なんでですか?」

 ウォルフが聞いた。少々の間の後、雷太が答える。

 「・・・・・・さっき行った通り、俺は組織者だ。世界を奪ろうとしているものの一人。
  ・・・まあ、それがいいにしても・・・・・・、今ちょうど任務受けたところなんだよ・・・。・・・内容は教えられないがな。」

 「ま、まさか・・・『魔法都市』壊滅計画!??」

 「違う。(汗)・・・統べようとしてるのに壊してどうすんだよ・・・。
  大体お前らこそ、なんでそうまでして俺を連れて行きたいんだ?」

 「・・・それはですね・・・。」

 珍しくシーバスが口を開いた。
 ウォルフのフォロー・・・・・・いや、ここは恐らくウォルフに任せていては一向に埒があかないと判断したのだろう。

 「・・・現在、魔法都市は目立つ強力な魔導士が少なく、活気が無い状態なんです。
  雷太さん・・・、我らが第一級魔導士のリーダーが都市を訪れる事によって、一時的にでも活気を取り戻すでしょう。
  ・・・・・・・・・・・・・・・それに・・・・・・。」

 「・・・・・・それに?」  ウォルフとシーバス、二人の顔に汗が流れた。

 「・・・・・・例の封印が・・・・・・・・・解けかかっています・・・。」

 「!!・・・・・・・・・『C・Kの封印』か・・・・・・。・・・・・・そいつはまずいな・・・。
  ・・・・・・早急に魔力を注がないと・・・・・・。」

 どうやら、話から察するに、『魔法都市』では『何か』が魔法の力によって封印されているらしい。
 その封印が壊れると相当まずいようだ。

 「・・・だから雷太さんに来て欲しいんです。少しでも封印に使う魔力を上げたいので。」

 「・・・・・・・・・・・・。」