玄関のインターホンが為るとクロは携帯を手に取った。
 この携帯は玄関に仕掛けられているマイクと連動し
 有る番号を押す事でマイクに声を伝える事が出来る。
 本当はカメラも付ける事が出来るのだが、クロはそうしていない。

 「俺だ。」

 携帯の向こうからは落ち着いた声が聞こえて来る。

 『私、ヨハネス・フォン・エスエニスと申します。
  此の度は御呼びに預かり参上致しました。』

 「ああ、入ってくれ。」

 そう言いクロは携帯を切る。

 「固いの2号が来たぜ。」

 「はっはっは、お前も十分固いぞクロ。」

 アーサーが陽気に言う。

 「お前程柔らかいのが2人もいる方が難儀だろう。」

 「それは否定出来ないけどな!」

 「ああ、氷雨。」

 クロは静かに退室し様としていた氷雨を呼び止めた。

 《描写無いと思ったら氷雨ずっといたのね・・・偉い子!》

 「はい?」

 「行かなくて良いぞ、迎え。」