彼の名はレディン・パラフィス。
 IFPの陸軍部大佐である。
 赤い髪に雷太より高い背を持ち、齢は27。
 部下からも慕われている代わり、彼の訓練は異常に厳しいと聞く。
 通称は『不死身公』。どうやら能力が関係しているらしい。



 「な、何だ!?俺を逮捕しに来たのか!?」

 「そうしても良いが、『IFP規約第32条:“IFPに属する者はその敵対する者が
  悪行を行っていない限り、捕縛または危害を加えてはならない”』に反してしまう。
  其れにクロ様にも申し訳が立たん。」

 「え・・・?
  (・・・ってクロ『様』!?)」

 「実はクロ様の家に行こうとしたが迷ってな・・・。
  彷徨っている内に此処まで来たのだ。
  出来れば・・・、クロ様の家に案内して貰えないだろうか?
  ・・・・・・詰まらん礼はする。」

 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」



 数分後、珍しい組み合わせの二人はクロの家へと向かっていた。

 「・・・・・・済まんな、普段は迷わないのだが・・・。
  どうも、久方振りだと道を忘れる・・・。」

 「良いよ、ここは元々入り組んでるし。
  しかしIFPが一体何の礼をしてくれるんだ?」

 「ふむ、まさか期待されているとはな・・・。」

 「いやそのもし良ければ俺の懸賞金を上げ――――――

 「『我が能力を明かす』・・・で如何だ?」

 「あ・・・、はい・・・。」



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