突如現れた男。

 「Sky Zenithだと・・・?」

 「如何にも。」

 クロの鸚鵡返しの問いにシヴィウスは悠然と返す。

 「通称『天空の支配者』。
  組織大戦開始当初から存在しつつも全く素性が明かされない。
  その“謎の組織”のトップがお前だと?」

 「そうです。
  こうして私が表に立つ事も数回目、実に久方振りですね。」

 「何をしにここへ?」

 「・・・・・・・・・・・・こう質問攻めも悪くないのですが・・・。
  こうも暑い場所では互い閉口するでしょう・・・。」

 シヴィウスは指をくるっと回した。

 「「「!」」」

 海里達は即効で身構えるも、

 「身構えなくても結構。
  私には戦意は御座いませんよ・・・フフフ。」

 突如空が分厚く灰色の雲に覆われた。
 雨は降らないまでも気温が下がる。

 「能力者か・・・。」

 「はい、そして私には貴方方と話す時間はそう御座いません。
  其処にいらっしゃるヴェルサスさんはSky Zenith構成員では有りませんが仲間です。
  私は戻らない彼を迎えに来ただけ、貴方方とは争う気は御座いません。
  貴方方が戦意を示した場合は逃げさせて頂きます。
  Sky Zenithについて貴方方に教える事は全く御座いません。
  ヴェルサスさんに拒否権は今回御座いません。
  私から貴方方に御教え出来る事は殆ど御座いません。
  他に何か質問が?」