第154話 “鉄と全の止め”


 再び張り詰める空気、鳴る刃音。

 二人の剣士は互いの眼を見タイミングを計っている。

 「・・・・・・・・・・・・・・・。」

 皆唯見ているのではなく止め様としているのだが、
 彼等が次如何動くのか想像が付かない。

 本来剣士同士の真剣勝負を止める等論外ではあるのだが・・・、

 「・・・・・・・・・・・・・・・。
  (・・・・・・この二人が本気でやると多分どっちがが死ぬ・・・。
   少なくともまだクロに死なれちゃまずいんでね・・・・・・。)」

 全員それは感じているらしい。

 暫く向き合ったあと、不意にヴェルサスは剣先をクロに向けた。

 「!」

 「・・・・・・laser。」



 ドキュウンッ・・・!!!



 凄まじい音と共に真空の刃が飛ばされた。

 飛燕/swallowの上位互換、突きの動作のみで飛ばす。
 一瞬でクロの元へ届くもクロは首を傾けかわした。
 極少量斬れたクロの髪がはらりと落ちる。

 「laser/revolver!」

 休む間も無く六連の刃砲。

 舞い上がる砂と共に撃ち込まれる。

 「・・・・・・swallow。」

 ヴェルサスはその舞い上がった砂塵をも斬り裂いた。