「・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」

 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」

 向かい合う黒髪と白髪の剣士。

 顔は全く同じ。

 触れ合いそうで触れない交差刀。

 互いの顔に向け刃を向けている。

 普段のクロなら相手に突然刃を見せるなど絶対にしない。

 しかし今は違う、それ程動揺しているという事だろう。
 それは相手にも同じなのかもしれない。

 互いに微塵も動かない。

 相手が何か相手に動きがあった瞬間に斬り捨てるといった感じだ。

 まるで色反転の合わせ鏡の様な二人。

 空気が嫌な感じに張り詰めている。

 「ん〜・・・・・・ちょっと良いかな?」

 ヴァンが声に出した。

 一瞬二人がぴくりと動く。

 「その状態だとずっと硬直してると思うんだけど。
  それに出会った瞬間に刃を向け合うってのもどうかと思うよ?」

 流石ヴァン、百戦錬磨だ。
 雷太と新太郎では声は掛けられなかったに違いない。
 尤も、海里がどうかは知らないが。

 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」

 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」

 二人は尚も暫く向かい合っていたが。

 「「そうだな。」」

 同時に言い、刃を納めた。