第151話 “邂逅−黒と白−”


 魔軍基地の外へ出た一行。

 命ある者がもういない基地を見ながら雷太が言った。

 「中は死体だらけだけどどうすんだろ・・・?」

 「世界政府にでも片付けさせるさ。」

 クロが特に気にする様子もなく言った。

 「情報提供の代わりとでも名目つけてな。
  どちらにしろ政府は情報が欲しいだろうし、
  アルハザードの魔界帰依裏付けとかあるだろうしな。」

 「・・・・・・・・・・・・・・・。」

 突然ヴァンが立ち止まった。
 残り4人は不思議に思い振り返る。

 「みんな・・・・・・ごめん・・・!」

 ヴァンが頭を下げた。

 「僕が僕の名前に動揺せずにもっと冷静でいれば・・・。
  ・・・・・・・・・でも僕の名前は・・・、余り知られたくなくて・・・。」

 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」

 一瞬沈黙が落ちる。
 が、クロがすぐにそれを壊した。

 「お前、何言ってんだ?」

 「・・・・・・え?
  い、いやアルハザードに逃げられたから謝罪を――――――

 「謝罪なんかすんなよ。
  俺だってシドを斬ったんだ。
  それにお前程のがうろたえる事なんだろ?」