シドが手にしていた本が蒼い炎を上げて燃えた。

 が、そんな挑発で竦む雷太達ではない。

 「逃がすとでも?」

 「そうは思えないな・・・。
  しかし中々面白い者が揃っているじゃないか。」

 そういうとシドは空間に指を動かした。
 彼の動かした跡が薄水色の文字となって浮かび上がる。

 「橙髪は現れ言う・・・己は己を殺す・・・。
  神を殺す為に己を殺し合い雨を奪う・・・。」

 橙髪とか自分の事なのだろうか?雷太は分からず動揺する。

 「氷上君、鏡は見た事があるかね?」

 「どういう意味だ。」

 「君も鏡と出会い対峙する・・・。
  黒と白は互いに削りあい・・・己が何者かを探りあう・・・。」

 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」

 「面白い、面白いぞ君達は、
  中でも最も面白いのは断然君だ、い――――――



 ドンッ!!



 「がっ・・・!?」

 クロの刀がシドの体を貫いた。

 「我流・・・風射砲・貫。
  ごちゃごちゃ御託が五月蝿いんだよ。
  お前は危険だから斬った・・・・・・じゃあな。」

 次の瞬間、衝撃でシドの体は吹っ飛んだ。

 厚い壁を突き破り、地に落ちていく。

 鈍い音が、聞こえた。

 「・・・・・・・・・帰るぞ。」

 それぞれ何か思いを抱きながら、5人は階段を下りた。



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