「・・・・・・・・・・・・・・・。」

 「・・・・・・答えろ。」

 「ヴァンさん・・・?」

 ヴァンの本名、雷太は聞いた事がない。
 昔聞いたのだが妙にはぐらかされてしまった。

 「・・・・・・私は科学者だ。
  科学者は調べるのが仕事なのだ。」

 「じゃあどこで調べたら出てきたんだ?」

 ヴァンの声に殺気が篭っている。
 それほど重要な事なのだろうか。

 「浅ましいぞヴァン・ヴェルトよ。
  教えて欲しいならば己の力で聞くのだな。」

 「・・・・・・・・・・・・。
  (ヴェルト・・・、それがヴァンさんのミドルネーム・・・?)」

 「そうさせてもらうよ。
  あと・・・・・・僕をその名前で呼ぶな!!」

 「!・・・消え――――――

 一瞬ヴァンが消えたと思うと、アルハザードに凄まじい拳が入った。

 風圧で一瞬空気が歪む。

 ・・・・・・・・・・・が、

 「なっ・・・!?」

 ヴァンの拳はアルハザードに届く事なく、彼の左手の中に納まっていた。